宇和海に面した段々畑が『遊子水荷浦(ゆずみずかうら)段畑』である。急峻なリアス式海岸が多く、平地が少ない宇和地方ながらの眺めであるが、この地方には田舎の集落ならではの日本一長い名前の公立の小学校がある。名付けて『高知県宿毛市愛媛県宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校』(同名の中学校もある)漢字で29字ひらがなで51文字である。名前でお気づきの方もいらっしゃると思うが、この地は地の果ての過疎の地区であり、県境をまたいで別々に学校を造るよりも、いっそのこと県の名を捨てて合同でひとつにまとまった方が合理的と判断してつくられた小中一貫の学校である。こうしたことで施設も教職員の方も半分で済むという、これから益々少子化と人口流出に悩まされることに違いない各地方の様々なモデルとなるケースであろう。世に言うところの学校統合であるが、全国的にも珍しい県をまたいで行うケースであり、偉い人達の「われがわれが」の事情やしがらみを乗り越えたところと、境目なんかは大人が勝手に決めた物でそこで共に学んで遊んでいる子供達にはなんの関係もないということを、しみじみと教えてくれる学校である。折しも運動会を開催していたが、親子共々、県境を越えて和気藹々と行事に興じる姿は、この地域に生きる人達の人間性を感じさせてくれるものである。
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「のどかな宇和島の段々畑」
のどかな宇和島の段々畑
「校名を書いた表札。片方にこれとまったく同じ篠山中学校のものがある」
校名を書いた表札。片方にこれとまったく同じ篠山中学校のものがある
「綺麗に整備された校舎。霊峰篠山の山麓の自然に囲まれている。」
綺麗に整備された校舎。霊峰篠山の山麓の自然に囲まれている。
「おそらくこれが中学生全員での行進。大人になってもそのまま団結力が続く人数である。」
おそらくこれが中学生全員での行進。大人になってもそのまま団結力が続く人数である。
「保護者も参加の綱引きは生徒の数の方が圧倒的に少ない。」
保護者も参加の綱引きは生徒の数の方が圧倒的に少ない。
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